むちの音がする。車輪のとどろく音が聞える。 かける馬があり、走る戦車がある。
そのたくましい馬のひずめの踏み鳴らす音のため、 その戦車の響きのため、その車輪のとどろきのために、 父はその手が弱くなって、 自分の子をも顧みない。
その時、軍馬ははせ駆けり、 馬のひずめは地を踏みならした。
すべて戦場で、歩兵のはいたくつと、 血にまみれた衣とは、 火の燃えくさとなって焼かれる。
そのかたちは馬のかたちのようであり、 その走ることは軍馬のようである。
山の頂でとびおどる音は、 戦車のとどろくようである。 また刈り株を焼く火の炎の音のようであり、 戦いの備えをした強い軍隊のようである。